くも膜下出血について
脳の周りには、外側から硬膜・くも膜・軟膜の3層の膜で覆われています。くも膜の内側には脳脊髄液という液体がありますが、この部分に出血するのが“くも膜下出血”です。働き盛りの人に多く起こり、死亡率も高い病気です。くも膜下出血はいったん発症すると重篤な病気です。発症するとおよそ1/3の方が死亡し、1/3の方が障害を残しますが、残り1/3の方は元気に社会復帰することができると言われています。このくも膜下出血は中年以上の人では脳の動脈にできた脳動脈瘤、若い人では生まれつき持っている脳動静脈奇形の血管が破裂し、出血して起こるものです。脳内出血とは違って片麻痺等の脳局所症状が起こることは少なく、頭痛と嘔吐、意識障害が主な症状。くも膜下出血を起こした人の20%程度は再破裂します。この再破裂はくも膜下出血の大きな死因の一つとなっており、時間の経過とともに再破裂率は徐々に下がってまいります。
【くも膜下出血】は1/3が社会復帰!
くも膜下出血での頭痛は超激痛!
くも膜下出血を発症すると、突然の激痛が頭部を襲います。この頭痛は多分、あなたが今まで経験した中で一番痛いものです。ある人は後頭部をハンマーで殴られたような痛みだと表現しています。重症の場合は倒れてそのまま呼吸が止まってしまう場合があります。このような重症例は約15%と言われています。中等症の場合は一瞬意識がなくなっても戻ってきます。頭部への激痛の度合いはこの中等症の場合で、回復できた患者さんに聞けた意見ですので、重症者の場合には超激痛だと想像できます。
早期発見できれば社会復帰も可能!
くも膜下出血は早期発見・早期治療がとても有効な病気です。例えば、突然強い頭痛が起こった場合はくも膜下出血の可能性も疑って病院へ行き検査を受けて下さい。一般的に、患者さんの話を聞くと頭痛が起こった瞬間をはっきり表現することができます。この頭痛は数日続き、いつもの頭痛と様子が違います。くも膜下出血は出血当日に病院に運び込まれ、速やかにCTでの診断を行えば早期治療は可能です。重症例から社会復帰まで、発症後の回復具合には大きな差ができるのが【くも膜下出血】です。日頃からの健診によって、ご自身の健康リスクを把握しておきましょう。
治療法と予防法
くも膜下出血の治療の第一は動脈瘤再破裂の防止です。そのための手法は、ネッククリッピング術とコイル塞栓術の2種類の手術を一般的に行います。そのNo1のネッククリッピング術という手術は全身麻酔下で頭蓋を開頭し、脳動脈瘤を金属製のクリップで挟んで、動脈瘤に血液が行かなくする手術です。
くも膜下出血の予防法は基本的には治療と同じです。脳動脈瘤は本人の自覚が無いままに破裂する事が多くありますが、MRAなどを使った脳ドックで検査すれば、事前に脳動脈瘤の大きさを確認する事ができます。最近は未破裂脳動脈瘤が5mm以上になりますと、破裂する前に破裂を予防する目的で上記の手術を行います。
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内容
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- ・頭部MRI・MRA
- ・胸部CT
- ・心臓冠動脈MRA
- ・アミノインデックス
- ・腫瘍マーカー
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