卵巣がんについて
卵巣には数多くの種類の腫瘍が発生します。一般的には腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。50歳代の女性にもっとも多く発症していますが、胚細胞性のものでは未分化胚細胞腫、卵黄嚢腫瘍、胎児性癌のほとんどは35才までの若い女性に発症します。卵巣の悪性腫瘍のうち胚細胞性のものやホルモンを産生する腫瘍の発生原因やリスク因子は現在まで明らかにされていませんが、表層上皮由来のがんのリスク因子については内分泌因子・環境因子・遺伝因子などがリスク因子としてあげられています。卵巣にできる腫瘍の85%は良性で、残りの15%が、悪性のいわゆる「卵巣がん」と、両性と悪性の中間的な性格を持つ「境界悪性腫瘍」です。病気の初期では自覚症状が殆ど無く、他の臓器への転移による症状で発覚することも少なくありません。
【卵巣がん】は危険な癌のひとつです
卵巣がんがサイレントキラーと呼ばれる理由
卵巣がんは、癌がある程度大きくなるか、他の臓器に転移するまでは、卵巣がんの自覚症状は現れません。つまり、自覚症状がほぼないために早期の診断が難しく、発覚した時には癌が転移してしまい、卵巣がんが悪性なら手遅れになってしまうケースもあります。
卵巣がんを発症する要因とは
卵巣がんは大きく2種類あり、原発性と転移性に大分されます。
原発性は卵巣そのものにがんが発症するケースで、卵巣がんの約80%がこの原発性だといわれています。残りの20%が転移性とされ、ほかの臓器からがんが転移し発症したものをいいます。卵巣自体はがんの転移しやすい臓器とされており、胃がん・乳がん・大腸がんからの転移が多くみられます。発症する年齢は10代から閉経後の高齢者まで幅広い年代に起こりますが、最も多く発症する年代は40~60代です。
卵巣がんの原因は今のところはっきり分かっていませんが、発生リスクが高いと考えられているケースをあげてみましょう。
- ・妊娠、出産経験がない
- ・不妊、月経不順、月経前症候群
- ・更年期以降、中高齢者
- ・肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症など
- ・欧米食(高脂肪食)
- ・遺伝
- ・喫煙
卵巣がんの発見に有効な検査
①卵巣がんの発見に有効な「腫瘍マーカー検査」
血液検査の1種で、血液中の特定の物質(腫瘍マーカー)を調べることにより、卵巣がんである可能性を調べることができるようになりました。
卵巣がんにかかった人の血液中からはCA125・CA19-9といった腫瘍マーカー値が上昇する傾向があります。卵巣がんは腫瘍マーカーで発見されるようになったことにより、これまで発見が難しかった卵巣がんを検査によって、比較的容易に調べられるようになってきました。また腫瘍マーカー検査は治療後にも行なわれ、治療効果の推移を確認でき、再発などの早期発見にも役立ちます。
②「超音波検査・CT検査・MRI検査」
超音波検査・CT検査・MRI検査では、卵巣にできた腫瘍の大きさや形、広がり具合や、全身への転移の有無を調べることができます。腫瘍マーカー検査で卵巣がんの疑いがある場合は、このような検査機器での検査を行います。この検査では、現在の状態がどのステージに属するのか分類でき、治療方針を決定することに役立ちます。しかしこのような精密な画像検査でも、卵巣にできたがんの直径が2cmぐらいに大きくならないと発見することは困難で、卵巣がんの発見が難しい理由の1つとなっています。
今日では、このCT・MRI検査における検査技術の進歩は目覚ましく、最先端の検査機器を利用する事も癌の発見には大切な事です。
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全身の癌を検索するPET/CT検査は西台クリニック画像診断センターにて実施。
内容
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- ・ピロリ菌検査
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16,200円(税込)
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内容
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- ・乳腺エコー
- ・乳がん視触診
- ・子宮頸部細胞診
- ・卵巣がん検診